ラバウルで宮部と同じパイロットだった長谷川梅男、真珠湾攻撃からミッドウェー海戦まで半年以上一緒だった伊藤寛次、宮部に命を救われたという井崎源次郎、整備兵だった永井清孝から、亡き祖父・宮部久蔵の話を聞いた佐伯健太郎と姉の慶子。 「臆病者」「卑怯者」「抜群の操縦の腕を持つパイロット」など宮部のイメージは証言者により全く異なるものだった。そして湧いた疑問――。「生きて、家族のもとへ帰ることが夢だ」と語った宮部が、なぜ志願して特攻へ行ったのか…。 慶子の恋人で新聞記者の高山はこれまでの取材記録を見て「終戦六十周年プロジェクト」の目玉企画になると面白がるが、慶子は複雑な心境に。そんな慶子に高山は元海軍中尉の谷川正夫を取材するように伝え、この仕事が終わったら結婚しようとプロポーズ。それを聞いた健太郎は、高山のことが本当に好きなのか、かつて祖父・賢一郎のもとで働いていた藤木秀一のことが好きだったのではないかと慶子に問うが、慶子は告白もされていないし、二人きりでデートしたこともないと答える。 谷川はある老人ホームにいた。これまで戦争の話はほとんどしたことがないという谷川は、苦しそうに宮部のことを振り返る。「非常に勇敢な、恐れを知らない戦闘機乗りだった」と語りはじめ、これまで聞いたことのない言葉に慶子と健太郎は驚く。そして日本軍がいかに人命を軽視していたか、さらに「特攻」がいかにして生み出され、それが“志願”という名の“強制”だったかを自身の体験を重ね合せ谷川は語る。昭和19年秋。フィリピン・ニコルス基地で谷川が見た宮部の姿はあまりに強烈だった…。なぜ祖父は自ら特攻へ――。さらに謎は深まる。そして次に総合商社会長の武田貴則を訪ねる健太郎と慶子。そこで初めて宮部久蔵が筑波で教官をやっていたことを知り、祖父が見せた「凄まじい生への執念」を知ることになる。 さらに海軍の特攻基地があった鹿児島県・鹿屋を訪れる二人。そこで会ったのは最近まである有名な暴力団の幹部だった景浦介山(柄本明)だった。 景浦は言う。「宮部久蔵は魔物だ…」