造られた西湖十景 西湖10景は、中国人が愛する山水画で描かれます。 その風景を生んだのは景観改造という中国人独特の美意識でした。自然の姿に人の手を加えるのです。 2つの堤と3つの島が人工的に造られ、西湖は理想郷となりました。 世界初の旅行ガイドブック 南宋の時代、印刷技術が発達し、それまで貴族たちが独占してきた芸術を庶民に広めます。 版木で刷られた西湖10景は、世界初の旅行ガイドとなりました。 地方からの観光客はそれを手に西湖の風情を楽しんだのです。 皇帝が愛した最高の茶 世界最大の都市だった杭州。西湖の畔には茶館が立ち並びました。 春は茶摘みの季節。この地方の茶は、味、香、色、形の「四絶」を備えると名高い龍井茶です。 岩から湧き出る名水が、究極の茶を生む秘密でした。 杭州西湖は中国人の考える理想郷です。湖面をつつみこむ春霞。ハスの花が風にそよぐ夏。秋には中秋の名月を映し、冬の残雪が静けさを誘います。四季折々の表情をもつ湖も、 かつては沼地のような干潟でした。長い年月をかけて整備し、美しい景観をつくりだしたのです。その大事業を成し遂げたのは、中国を代表する2人の大詩人でした。ひとりは白楽天。もうひとりは蘇東坡です。彼らの熱意と美意識が、西湖を誕生させたのです。